DX化で実現する
営業立て直しと組織立て直し

見込客が振り向く訴求のつくりかた①

どのような課題をもっている人に、
どのような体験や価値を、
どのような方法で提供するのか。

自社の強みを最大限に生かしながら、
特定の課題を抱えた「誰か」が振り向く訴求をつくるためには、
その「誰か」を具体化する必要があります。

そのために、

  • セグメンテーション(区分)
  • ターゲッティング(対象)
  • ポジショニング(配置)

を設定するのですが、「誰か」が具体的になるまでには、時間を要することが多いでしょう。

環境変化によって顧客の価値観が短期間で置き換わり、いままで有効とされてきたビジネスモデルや訴求が無効化されるニューノーマル時代においては、短時間で市場のフィードバックを得られる基準が必要です。

その基準のひとつが、人の意思決定パターンを軸とする、セグメンテーション(区分)、ターゲッティング(対象)、ポジショニング(配置)の方法。

自社の競争優位性を発揮できる客層が、

  • 反応するベネフィットのパターン
  • 案件化に至るために確認しておくべき内容と順番のパターン
  • 売上につながる顧客体験のパターン

といった購買を決定づけるパターンを軸に客層を決めることで、
短期間で彼らが振り向く訴求や、効果的な体験を提供できる確率を高めることができます。

3つのベネフィットパターン

顧客が反応する訴求=ベネフィットパターンをつくる上で参考になるのが、デービッド・アーカー氏が提唱する

  • 機能的ベネフィット
  • 情緒的ベネフィット
  • 自己表現ベネフィット

の3分類。
これらのベネフィットを組み合わせることで、顧客がより反応する訴求をつくっていきます。

例1)機能的ベネフィット + 情緒的ベネフィット

商品自体が持つ機能性/合理性に五感を刺激する要素を上乗せし、体験価値とブランドイメージを高める

例2)機能的ベネフィット + 自己表現ベネフィット

特定の商品を使うことで、顧客の理想化された自己イメージが想起され、自己重要感が高まり、顧客と企業の繋がりが強化される

アーカーのベネフィット分類

アーカーのベネフィット分類

このようにベネフィットパターンを組み合わせることによって、人の根源的な動機に訴えかけ、顧客から選ばれる下地をつくることができます。

その際に押さえておきたいポイントは、個々によって重視するベネフィットパターンに「偏り」があること。その偏りこそが、見込客が振り向くポイント=購買時の意思決定要因になるということです。

ベネフィットパターンの偏り

ベネフィットパターンの偏り

機能的ベネフィットへの偏りが大きいパターン

機能性、合理性を重視する層。
ゴールを設定し、計画性をもってことを進める。
要不要で判断するため、費用対効果について比較検討できることが選ばれる条件。自分軸で思考する。

情緒的ベネフィットへの偏りが大きいパターン

購入理由の提案、購入する上での大義名分を必要とする層。
良い悪いという社会的規範で判断するため、真っ当な事業背景、商品コンセプトが練られていること、品質や他者評価が高いことが選ばれる条件。他人軸で思考する。

自己表現ベネフィットへの偏りが大きいパターン

権威やステータス性を重視する層。
臨機応変さ、自由さを重視する。
理想化された自己の増幅/強化をイメージできることが選ばれる条件。
社会からどう見えるかで思考する。

どの客層へ訴求し集めるのか。どのようなカタチにして訴求すると効果的なのか。見込み客が振り向く訴求をつくるためには、この偏りを見極めることで重要です。

近年ではAIの発達により、この偏りが購買時の意思決定に大きな影響を与えていることが解明され、マーケティング、セールス、マネジメントでの活用が始まっています。

ハウスメーカー・工務店での事例

ハウスメーカーや工務店が、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を訴求するケースを例に、ベネフィットパターンの活用法についてについてまとめます。
さまざまな業種に応用できますので、自社商品に置き換えてお考えください。

購入理由の訴求

  • 機能的ベネフィット:コストメリットの追及によって資産形成の一助としたいのか?(経済合理性)
  • 情緒的ベネフィット:災害時に家族を守る備えとしたいのか?(大義名分)
  • 自己表現ベネフィット:住まいとエネルギーの課題に対する表明なのか?(情報発信)

反応が高いコンテンツの例

  • 機能的ベネフィット:ZEH競合他社との比較表、トータルコスト/損益分岐点
  • 情緒的ベネフィット:ZEHを選ぶ理由、購入者レビュー
  • 自己表現ベネフィット:ZEHの簡潔なコンセプトブックやプレゼンテーション

このような区分けにより、同じ商品であっても、集客・育成・成約・リピートの各段階において発信するメッセージやコンテンツの割合、提供する顧客体験の内容と順番を変えているケースもあります。

自社の最適解を見つけるためのヒントは、既存客が最も反応するベネフィットを見直してみることです
リピート率が高い場合は、訴求しているメッセージと、既存客が求めるベネフィットが一致している。
そうでない場合は、訴求内容と既存客が求めるベネフィットを再確認する必要があるでしょう。

今回は、ベネフィットパターンの偏りから、見込客が振り向く訴求をつくるヒントについて提案をさせていただきました。

ぜひご活用ください。

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